まちのおふろやさん
松山市緑町に「寿温泉」という銭湯があります。子どもリエゾンえひめからすぐそこにある街のお風呂屋さんです。5階建て建物の屋上には大きな温泉マークがドーンと乗って「お風呂湧いています」とばかりに赤く輝いています。奥道後温泉から引き湯をしている県内唯一の銭湯、朝7時30分から夜23時まで開いていて、ひっきりなしにお客さんが訪れる街のお風呂屋さんです。
お風呂屋さんといえば、この絵本を思います。「もりのおふろやさん」(とよたかずひこ 作・絵 ひさかたチャイルド)
冷える夜、シカ、カモシカ、イノシシ、タヌキ、キツネが揃って森のお風呂屋さんに行きます。「そろりそろりとぷーん」とお風呂に入って温まっていると、隣から「かわいいねえ、かわいいねえ」と声がします。隣にも小さなお風呂があって、クマのお母さんと赤ちゃんを囲んで、ウサギ、リス、サルがいます。森の動物たちみんなで「かわいいねえ、かわいいねえ」と声をかけます。赤ちゃんはお母さんお腕の中でうとうと心地よく眠って、お母さんも微笑んでいます。
お風呂での「かわいいねえ」の一声、クマのお母さんにとって、何より有難いことばです。お母さんは日頃子育てで大変、赤ちゃんが泣き止まずお母さんも泣きたくなることが度々あることでしょう。凍える夜に赤ちゃんを連れてお風呂に来て、「かわいいねえ」と温かい声をかけてもらえることで、ゆったりとした気持ちになれることでしょう。お風呂は身も心も温まりリラックスしてみんなが優しくなれる所なのです。
街の中でも親子に温かい一声をかける。あなたのその一声が親子の安らぎに繋がるかもしれません。11月は児童虐待防止啓発月間、虐待の手前で親子を支援する里親活動もあります。街のお風呂屋さんの近くにあるリエゾンをのぞいてみませんか。
(石丸)
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