コラム

いのちの歌


 「あなたのお薦めの曲は?」FMラジオのコーナーで質問されて、私は「竹内まりやさんのいのちの歌」と即答しました。小学生の合唱曲としても歌われており、歌う子どもたちも聴く大人たちの胸にも命の尊さが響きます。
 高校生の時に、竹内まりやさんに憧れた少女がいました。音楽だけでなく、その生き方に憧れ、私に熱く語ってくれました。島根県の歴史ある街の大家族の中で育ったこと、音楽活動と英語への憧れから高校生でアメリカ留学をしたこと、それらがベースになって東京の大学での音楽活動等から生み出された歌のすばらしさを、一曲一曲歌詞の意味と背景となる物語を教えてくれました。彼女の部屋には、活き活きした大きな目が印象的な笑顔のまりやさんのポスターとLPレコードがありました。まりやさんへの憧れは少女の心の糧になったことでしょう。
 まりやさんはその後、歌手活動休止、結婚、出産、音楽活動再開等自分ならでのスタイルを持たれています。最近、テレビ番組に出演されていたのを見て、その生き方から生まれ出た言葉の素晴らしさを改めて感じました。その番組でも「いのちの歌」を歌って「この命にありがとう」と胸の前で手を合わせて思いを込められていました。
 「生まれてきたことにありがとう」と「育ててもらえたことにありがとう」のささやかな日々の連続で大切な命は継がれていきます。辛いことがあった時には少し立ち止まって、傍で支えてくれた人たちのことを思い出してもらえたらとこの曲を紹介しました。
(石丸)

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