魔法使いのおはなし会
「こねこねこねこ、ねこねここねこ」猫の手袋人形で、『ことばのわ』(おはなし会を届ける活動)4月のおはなし会スタートです。今回は東京でおはなし会活動をされている魔法使いさんによるおはなし会。前回この会をしたのは、令和2年3月1日、実に4年ぶりでした。この4年間は人と人の交流が制限され距離を取る生活から心の距離まで作ってしまいがちでしたが、その中でも子どもたちの成長はひと時も留まることはありませんでした。
魔法使いのおはなし会には幼児さんから小学校高学年まで参加と年齢差がある中で、どの子も、また、傍にいる大人たちも楽しめるものでした。ジャガイモの手遊び「ジャガイモこーろころ」を歌いながらみんなで大きな輪になって動いたり、手の指を使って、道具も何もいらない、どこででもできるおはなし遊びを楽しみました。
おはなし会が終わった時、子どもたちが代わる代わる魔法使いさんの傍に来ました。ある男の子は「僕、大きくなったよ。」と隣に並んで背比べをしました。4年前その子は小学校低学年で前の方で静かにちょこんと座って見ていたのですが、今は一番上の学年になりました。それを見ていたある女の子も横に来て、「私も!」と。彼女は魔法使いさんより背が高くなっていました。魔法使いさんは「あなたたち大きくなったわね。」と微笑みました。子どもは大人と一緒に笑ったことを覚えています。一緒に楽しんだ言葉遊びやおはなしを覚えています。
魔法使いさんは、子どもたちと一緒にいた大人も楽しませてくれました。大人が一緒に楽しむ、一緒に笑うことで、子どもたちは安心してその時間を楽しむことができます。「子どもは大人の顔を見ているのではなく、顔色を見ている。」児童虐待ではこの言葉をよく聞きます。いつ危険が身に降りかかるか、それに神経をとがらせ、その時を生きることに必死。自分の感情を出すことはなく、気持ちを押し殺して生きていると。大人が笑うことで、穏やかな時間が流れます。子どもは大好きな人の笑顔を何より喜びます。
笑顔になる魔法にかかって、今日一日口角上げて過ごしてみませんか。いいこといっぱいありますよ。
(石丸)
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