将来の夢
三月は卒業式のシーズン、卒業・進学・就職、子どもたちは希望に溢れる将来を夢見るものですが、「今ある、様々な仕事。近い将来、そのおよそ49%をAIやロボットが担えるようになる、という予測がある。」(公益社団法人ACジャパン)とテレビでは流れています。
3月2日に開催した当法人のリエゾンゼミナール第5回『旅立ちのとき』のグループトークの時に、複数の参加者から「今の子どもたちになりたい仕事を聞いても出てこない」という話がありました。
今から20年近く前、小学校高学年の姪が突然私にこんな質問をしました。「自分が一番好きなことを仕事にしたの?」と。私は躊躇することなく「もちろん!」と即答。当時私は児童相談所で児童福祉司として児童虐待対応を天職と思い仕事に燃えていました。それに対して本の虫だった姪は「一番好きなことでなく、二番目に好きなことを仕事にするといいって本に書いてあったよ。私は二足の草鞋を履く。図書館司書をしながら本を書きたい。」と。当に『負うた子に教えられて浅瀬を渡る』ようでしたが、私の一番好きな仕事は変わることはありませんでした。また、「二足の草鞋を履く」と夢を語った姪も図書館司書になることはなく、高校・大学で学んだことをベースに今は一番好きなことを仕事にして世界を飛び回っています。
目まぐるしく社会状況が変わっていく中で、仕事の内容も働き方も多様化しています。高校を選ぶ時にその先の職業を見据えて進路を決めるのはとても難しくなっています。傍にいて将来の選択肢を増やす情報集めたり、暖かく静かに話を聞いてくれたりする。また、岐路に立った時には、一緒に考え悩んでくれる大人がいる存在が大切だと思います。
先のグループトークの最後に、ある方がこう発言されました。「なぜ里親をしようと思ったのかとよく聞かれますが、私は若い人と話がしたいんです。」そうです、若いみなさん、私達大人はたくさんたくさんあなたたちと話がしたいです。一緒に語りながら歩いてみませんか。
(石丸)
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