赤いサクランボ
昨年4月にモッコウバラを楽しませていただいた友人の庭に、先日私たちは集いました。雨が一日降る日でしたが、庭は色とりどりの薔薇の花、その中でひときわ目を見張ったのがたわわに実った赤いサクランボでした。
毎年、サクランボの実ができるとどこからともなく鳥たちが飛んで来てはみごとに食べ尽くされていた木。あの手この手の対策をしてもダメで、今年は何もしないでいたら、なんと鳥は全く来ず、葉っぱが見えない程たくさんのサクランボが実りました。目で楽しみ、食べて楽しむまさに初夏の自然の贈り物です。
友人はそのサクランボをご近所に配ったり、サクランボジャムにしたり、また、テラスの大きな壺に活けていました。
私たちへのおもてなしデザートは、手作りのプリンとチェリーパイでした。お皿に添えられたフレッシュなサクランボは完熟で甘く、サクサクパイにトッピングされた生クリームとほんのり桜の香りもするサクランボジャムは5月の最高のデザートです。
リビングには他県で暮らすお孫さんたちの家族写真。この一年で一段と大きくなったお孫さんもこのサクランボを口にしたことでしょう。遠く離れていても、育った家の庭と一緒に食べた野菜や果物、そして一緒に見た季節の景色は記憶に残っていきます。赤いサクランボを二つ口に入れながら、どの子にも穏やかな時間と優しい空間がありますようにと願いました。
(石丸)
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