コラム

突然のお別れ


 全国家庭養護推進ネットワークから、突然届いた一通のメール。何気なく開いて読んだ私は驚いて声を失いました。3月に開催される第7回FLECフォーラムにおいて特別講演を予定されていた村瀬嘉代子先生(公認心理士試験研修センター顧問、大正大学大学院名誉教授・客員教授)が、先月にお亡くなりになったことを告げるものでした。
 村瀬先生は臨床心理の第一人者で、特に社会的養護の子どもたちについて、並々ならぬ思いを向け続けられた方です。私は心理学系の月刊誌に寄せられる村瀬先生のエッセイが大好きで、新しい号が出るのをいつも心待ちにしていました。村瀬先生と私の母の年齢が近かったので、村瀬先生の書かれる時代背景から母の生きた日々を重ねて勝手な親しみを覚えていました。
 昨年10月に松山で開催された第65回日本児童青年精神医学会総会学術集会で、私は初めて村瀬先生のお話を生で拝聴しました。慈恵会精神医学研究所の青木省三先生との特別対談では「たくさんの不利な条件を抱えた子どもや大人の支援に求められるものは何か」「生活を視野に入れた精神的支援とは何か」等について予定時間を大きく超えて語られました。凛としたお姿と社会的養護の子どもたちへの熱い想いがあふれるエピソードに感銘を受け、9月に出された最新の本を購入しました。その本の表紙は中学生年代の少年の人物画、これまでに村瀬先生が会って話を聴いた少年たちの象徴ではと想像しました。
 次は3月のフォーラムでお話をお聞きできると楽しみにしていたところに、突然のお別れ。それでも、季節は春になりました。
(石丸)


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