コラム

新しい家族

 あるテレビ番組で飼育放棄された小型犬と新しい家族の話を見ました。ワンちゃんは新しい家族が会いに来た時、初対面からとても懐いて、新しい家の中にもすぐに慣れました。
 しかし、しばらくしてお散歩デビューをした時、想定していなかったことが起こります。ワンボックスカーや軽トラックと年配の作業服を着ている男性を見ると立ち止まり、「くーん」とせつない声で鳴いてその場を動こうとしないのです。そして、散歩から帰ると、新しい家に入らなくなりました。新しい家族は「なぜそんな行動をするの、どうしたらいいの」と悩みました。
 それについて、専門家がかけた一言。「犬は車や男性等、大きいものや低くて大きな音がするものは苦手です。それらを好きで慕っているということは、いい思い出があったのでしょう。それに囚われることはありません。今の安定した係わりを続けてください。安定した環境で楽しいことを重ねることで落ち着きます。安定した関係と時間が何より大切です。」
 家族はアドバイス通り、自信を持って落ち着いた態度で対応を続けました。ご近所の犬の散歩仲間だった方に、新しい家族としてワンちゃんを紹介しました。人が立ち話をしている間に、犬と犬も挨拶をして友達になっていました。それを日々繰り返すことで、ワンちゃんはワンボックスカーにも年配の男性にも立ち止まらなくなり、散歩の後は家族がいる家に「ただいま!」と駆け込むようになりました。
 子どもを新しい環境で育てる時も同じだと思います。過去のことを忘れさせたり、隠したりする必要はありません。家族みんなで穏やかな時間を積み重ねることが、今を生きることになります。そして、心配ごとを一つの家族で抱え込まずに、専門家に相談して一言アドバイスをもらうと気持ちが軽くなります。さらに、新しい家族の関係を地域に開くことで自然と変わっていくこともあります。「新しい家族」は特別なことではありません。子どもリエゾンと一緒に「新しい家族」について考えてみませんか。
(石丸)

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