コラム

重陽の節句、秋御膳

 九月九日は「重陽の節句」、「菊の節句」とも呼ばて、菊を飾って愛で、菊の香りを移した「菊酒」を飲んで邪気を払い無病息災や長寿を願う日です。そして、栗ごはんを食べてお祝いをします。
 その夕方、県外に住む姉から秋御膳の写真が届きました。松山市伊台産のぶどう『藤稔』が届いたお礼のものでした。お便りにはぶどう農家さんへの感謝のことばがあり、写真には母から娘に伝えられたものがたくさん写っていました。
 先ずは、砥部焼の食器の数々、一つひとつに手渡してくれた人とのエピソードがあります。お料理は、長寿を願うお蕎麦、栗三昧の栗ご飯、細ネギの小口切りが入った卵焼きとポテトサラダ。デザートは甘くてジューシーな大粒のブドウ。見るだけで香りが伝わって来て、私も一緒に食卓を囲んでいるかのようでした。お料理の味は母から娘に伝わったもの、一番食べなれた懐かしい味です。これら形あるものもそうでないものも、また次の世代に順々に伝えられていくことでしょう。
 大好きな人たちと一緒に、和やかに過ごしながら食事をすることで体にも心にも栄養が行き渡り、生きる力になります。同じ食卓で各自が別々のものを食べる「個食」、独りで食べる「孤食」等、「こ食」が当たり前になっていますが、そんな今だからこそ、食べることの大切さを考えてみたいもの。
 もし、あなたの身近に「独りで食べている、少ししか食べられていない」等気になる子どもがいたらリエゾンにお声かけください。大人と子どもが一緒に作って食べる安心の時間が流れているところにおつなぎします。
(石丸)

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