コラム

しあわせ


 朝日に向かって進むアンパンマン列車です。JR西条駅手前の北ノ丁踏切から迎えているところです。
 子どもが2~3歳のころ、お休みの日の朝早くに、よくここにつれて来たものでした。静かな朝の街に、踏切の鐘が「カンカンカン」と鳴り響き、遮断機が下りはじめます。少し離れた駅の案内アナウンスが到着を伝えます。列車はだんだんと大きくなり、ごう音を立て通りすぎていきます。わたしに抱っこされた子どもは、しがみつきながら、列車を指さして「アンパンマン!!」と叫ぶのです。「アンパンマンだね!はやいね、大きいね」そして、その子は大きくうなずいて、目を輝かせていました。
 過ぎてみれば一瞬のことです。だけどこの一瞬をみせてあげたくて、一生懸命になるのです。
 かけがえのない時間を共に過ごせることを幸せというのかもしれません。
(山内)

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